Tableau Desktopでオープンデータを分析してみる

前回の記事では、厚生労働省が公開しているコロナウィルス感染者のデータを元に、

データソースを作成してみました。

今回はそのデータソースを使って、Tabelau DeskTopで分析してみたいと思います。

 

【まずは全体感から】

作成したhyperファイルを開くとTableau Desktopが起動します。

初期画面はこのようになっています。↓↓

左側に使用できる項目や数値が表示されます。

【ディメンション】※分析軸項目

・Date(日付)

都道府県

・地域

 

【メジャー】※指標

・新規陽性者数

・重症者数

・入院治療を要する者

・累計死亡者数

 

これらを組み合わせて分析していきます。

 

まずは単純に、年別の新規陽性者数をみてみたいと思います。

2020-2023年の4年分かつ、2023年は1/5までのデータしかないので、

経年変化のグラフとしては寂しいですが、

2022年の新規陽性者数が圧倒的に多いです。

 

他の指標も見比べてみようと思います。

新規陽性者数、入院治療を要する者が2022年にピークを迎えているのに対して、

重症者数は2021年にピークを迎え、2022年は減少している傾向にありました。

陽性者は増えてはいるものの、重症化数は抑えられているようです。

 

 

【新規感染者数と重症者数の比較】

また、新規感染者数と重症者数を年月別の二重軸で表してみました。

青色棒グラフ→新規陽性者数

オレンジ色折れ線グラフ→重症者数

(フィルタで年数を制御)

2020年

2021年

2022年

 

新規陽性者数の増減に伴い、重症者数も同様に変化していることがわかりますが

特定のタイミングで、数が大きく増加していることがわかりました。

→2020年12月、2021年5月、2021年8-9月、2022年2-3月、2022年8月

要因の断定はできませんが、緊急事態宣言などによる外出の制限、コロナウィルス変異株の傾向、ワクチン接種による影響などは関連していそうな気がします。

以下は参考までに、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の期間です。

緊急事態宣言

  • 第一回:2020/4/7~5/25
  • 第二回:2021/1/8~3/21
  • 第三回:2021/4/25~6/20
  • 第四回:2021/7/12~9/30

まん延防止等重点措置

  • 2021/4/5~9/30
  • 2022/1/9~3/21

 

月でみてみると以下になりました。

どの指標も8月にピークを迎えています。

(夏休みの帰省などによる外出の影響でしょうか)

 

 

【地域別の傾向】

地域別は以下の通りです。

新規陽性者数は関東圏が多いのに対し、

関西は重症者数が少し多い傾向にあるようです。

 

関西は重症者数が増えている傾向にあるのでしょうか。

地域別の推移をみてみました。

(凡例が多く、少し見づらい折れ線ですが、関西と他の地域の傾向比較のため、

いったんこのようなグラフにしました。)

傾向としては、地域による特徴などはみられませんが、関西の重症者数がかなり多い、

また、どこの地域も特定のタイミングで大きく増加しています。

→2020年12月、2021年5月、2021年8-9月、2022年2-3月、2022年8月

これは、前述の二重軸グラフと同じ理由になるかと思います。

 

各地域の新規陽性者数と重症者数の割合の推移もみてみます。

凡例

新規陽性者数推移

重症者数推移

新規陽性者数の割合については、

東京が2020年は24%、2021年は2022年が22%を占めていますが、

2022年は13%にまで減少しています。

それに対し、中部、四国、中国など、他の地方の割合が増加していっている傾向にあるようです。

 

重症者数についても、東京は割合が15%→11%→6%と、減少傾向にありました。

それに対し、こちらは33%→41%→53%と、大阪の増加が顕著な傾向にあるようです。

(2023年はサンプル数が少ないため、比較対象外としています)

 

【まとめ】

以下、ここまでの分析の中でわかったことです。

  • 新規陽性者数、入院治療を要する者が2022年はピーク重症者数は2021年がピーク
  • 8月は新規感染者数、入院治療を要する者、重症者数どれもピークになる
    →夏休みやお盆休みの外出が影響?
  • 特定のタイミングで新規陽性者数、重症者数が大きく増加
    →緊急事態宣言などによる外出の制限、コロナウィルス変異株の傾向、ワクチン接種による影響?
  • 関東圏は新規陽性者数が多く、関西は重症者数が多い傾向
  • 東京は新規陽性者の割合が減少傾向、代わりに中部、四国、中国など他地域の割合が増加
  • 重症者数も東京は減少傾向、大阪は増加傾向

都道府県の施策等と紐づけ、さらに深堀していくことで傾向の要因などを分析することができそうです。

簡単ですが、今回の分析はここまでとさせていただきます。

もっとこういう分析もできるなど、ご意見いただけますと幸いです。

ありがとうございました。